2007 Fiscal Year Annual Research Report
希ガスマトリックス中での金属と小分子との反応の研究:金属単原子からクラスターヘ
Project/Area Number |
07F07556
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
徐 強 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ユビキタスエネルギー研究部門, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIANG Ling 独立行政法人産業技術総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | マトリックス単離 / 赤外分光法 / 理論計算 / 分子構造 / 反応機構 / 触媒 |
Research Abstract |
金属と小分子との反応に関する研究は、新規化学種(反応中間体)の発見や(触媒)反応機構解明に重要な意味を持つ。本研究では、マトリックス単離赤外分光法を用いることにより、一連の金属及び金属クラスターと小分子との反応を解明することを目的している。本年度では、主な研究成果として、一酸化炭素(CO)と3d金属2量体との反応、後周期ランタノイド2量体上での一酸化炭素の活性化、及びランタノイド元素と二酸化炭素(CO2)との反応について系統的な研究を行い、新規化学種の構造や電子状態を明らかにするとともに、反応機構を解明した。一酸化炭素と3d金属2量体との反応について、6種類の異なる交換-相関密度関数を用いて系統的に研究を行った。周期表の左から右へ行くにつれて、3d金属2量体とCOとの結合はside-onから、bridgingを経由して、terminalへと変化する。ScとTiにおいて、金属-酸素結合が形成されることを強く示唆された。M_2CO(M=Sc-Zn)の基底状態では、周期表の左から右へ行くにつれて、C-0伸縮振動は増加し、結合エネルギーが減少することがわかった。TmとYbに関しては、一酸化炭素との反応生成物が観測されなかったが、Tb,Dy,Ho,Er,Luについては、一連の新規分子Ln_2[η^2(μ_2-C,0)]_x(Ln=Tb,Dy,Ho,Er,Lu;x=1,2)が形成されることがわかった。これらの新規2核金属クラスターカルボニル分子では、C-0伸縮振動は1100to1300cm^<-1>領域に現れ、気相C0のそれ(2143.5cm^<-1>)より遥かに低く、C-0結合が活性化されたことを示す。密度汎関数法による理論計算を行った結果、これらの新規分子Ln_2[η^2(μ_2-C,0)]_xは、平面構造を取る事が予測され、side-on構造をとることが示された。
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Research Products
(4 results)