2008 Fiscal Year Annual Research Report
低機能デバイスへ実装可能な実用的ポスト量子公開鍵暗号方式に関する研究
Project/Area Number |
07F07565
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
古原 和邦 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 情報セキュリティ研究センター, 主幹研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CUI Yang 独立行政法人産業技術総合研究所, 情報セキュリティー研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 公開鍵暗号 / 低機能デバイス / 多倍長のべき剰余演算 / 符号理論ベース暗号 |
Research Abstract |
現在広く普及している公開鍵暗号は、多倍長のべき剰余演算が必要となり計算処理が重くなるという欠点がある。そのため、RFIDなどの計算資源の限られた低機能デバイスにおいて、それらを実装することは事実上不可能に近く、小型のユビキタスデバイスへの公開鍵暗号の導入の妨げとなっている。また、現在広く使われている公開鍵暗号システムが量子アルゴリズムに弱いことも知られており、長期的な安全性の確保や代替方式の確保が課題となっている。本研究の目的は、低機能デバイスにおいても低コストで実装可能で、かつ安全な新たな方式を提案することにある。本研究期間において、個別化の手法、詳細な安全性の証明および減少できるサイズなどの詳細を詰めることにより、量子アルゴリズムに強い古典的な符号理論に基づいた、排他的論理和のみで暗号化が行える公開鍵暗号方式の実現を試みた。今年度は、初年度提案・検討した方式を効率良く実装するための検討を行い、パフォーマンスの評価に関する研究を行った。パフォーマンスについては理論的の見積もりを行ったうえで、実装方法などを制定し、ソフトウエア上の実験を試みた。よりよいパフォーマンスを出すための技術検討を行うと共に理論と現実のギャップについても検証を行った。さらに、効率的な構成を含め、より低価格・低機能なデバイスへの実装に適した方式の最適化も行った。最後に、方式の安全性に関して、より厳密な評価を行うことで、証明可能で長期的な安全性を持ち、なおかつ低機能デバイスに実装できる公開鍵暗号システムを提案できたと考えている。
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Research Products
(12 results)