2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07570
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Research Institution | Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology |
Principal Investigator |
藤原 義弘 Japan Agency for Marine-Earth Science and Technology, 極限環境生物圏研究センター, サブリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PRADILLON Florence 独立行政法人海洋研究開発機構, 極限環境生物圏研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | ホネクイハナムシ類 / 鯨骨生物群集 / 発生 / 分子系統解析 / 水圧 / 多様性 / 多毛類 / 幼生 |
Research Abstract |
本研究の目的は深海底の鯨骨生物群集の構成種として出現する各種多毛類の初期発生に水圧がどのような影響を与えるのかを明らかにすることである.しかしながら,代表的な鯨骨依存種であるホネクイハナムシ類やハオリムシ類の幼生の成長に関しては基本的な情報がほとんど得られていない.そこで今年度は相模湾初島北東沖で採集したホネクイハナムシ類を用いて,発生学的研究に関する基礎情報の取得を試みた.まず対象動物がどのような系群に属すのかを明確にするため,核およびミトコンドリア遺伝子の解読および系統解析を実施した.その結果,相模湾には少なくとも7種類の遺伝子型が存在することを明らかにした.また相模湾産ホネクイハナムシ類の幼生の飼育を試みたところ,飼育には温度が非常に重要であること,また発生の速度が予想よりもかなり早いことが判明した.なおホネクイハナムシ類の幼生を得る機会は限られているため,予備実験として鯨骨産多毛類の一群であるノリコイソメ類の幼生飼育を試みた.その結果,このグループの飼育は比較的容易であり,長期間の維持が可能な種も存在することを明らかにした.さらに野外や水槽内で採集した幼生がどの系群の多毛類であるのかを明らかにするために,ホネクイハナムシ類およびハオリムシ類の遺伝子型特異的なオリゴヌクレオチドプローブを作成した.なおホネクイハナムシ類の採集のために,相模湾初島沖で実施された無人探査機を用いた潜航調査に参加し,多数のホネクイハナムシ類を採集した.現在,採集したホネクイハナムシ類を実験室内で飼育するための条件を検討中であり,4ケ月以上にわたって良好に飼育できる実験系を確立した.
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Research Products
(1 results)