2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07572
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
RAJ Ladher The Institute of Physical and Chemical Research, 感覚器官発生研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SIU Shan Mak 独立行政法人理化学研究所, 感覚器官発生研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 中耳 / 発生 / ニワトリ |
Research Abstract |
耳は聴覚と平衡感覚の双方を司る器官である。聴覚は耳の少なくとも2つの部分(中耳と内耳)が完全に接合・協和して機能する。これまでの研究では、それらが別々に独立して発生すると考えられてきた。本研究では、この2つの構成部分の相互作用を解明する事を目的とする。さらにこの研究によって、側頭骨奇形(中耳奇形・内耳奇形)といった先天性の耳疾患にも直接関連する見解が得られると考えられる。 マク氏は昨年、中耳骨格の詳細な形態変化を観察する技法を確立した。この技法は、各種実験結果を分析する上で非常に重要な役割を果たしており、この技法によってマク氏は、ニワトリ胚の内耳を片側だけ切除した場合に起こる中耳の変化を観察した。その結果、内耳切除により側頭骨が誘導されなかった。中耳のアブミ骨底やアブミ骨の領域では、欠如または減少が見られたが、中耳骨格の末端(内耳から遠位)の多岐にわたる過程は影響を受けないことが分かった。マク氏は他に、レトロウィルス(RCAS)ベクターおよびレンチウィルス(HIV-based)ベクターを用いた遺伝子導入手法を確立した。これは耳の原基痕跡の相互作用を調べる上で重要と予想される分子の解析を行うのに、不可欠な手段である。現在マク氏は、この技法を用いて候補となる遺伝子のノックダウンや過剰発現をin-vitroとin-vivo実験で始めようとしている。これらにより、本研究は急速に発展すると確信している。
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