2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07572
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
RAJ Ladher The Institute of Physical and Chemical Research, 感覚器官発生研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MAK Siu Shan 独立行政法人理化学研究所, 感覚器官発生研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | ニワトリ / 耳小柱 / FGF / 中耳 / 脳顔面頭蓋 / 誘導 |
Research Abstract |
耳は聴覚と平衡感覚の双方を司る器官である。聴覚は、耳の少なくとも2つの部分(中耳と内耳)が完全に接合・協和して機能する。これまでの研究では、それらが別々に独立して発生すると考えられてきた。本研究では、この中耳と内耳の2つの構成部分の相互作用を解明する事を目的とする。さらにこの研究により、側頭骨奇形(中耳奇形・内耳奇形)といった先天性の耳疾患にも直接関連する見解が得られると考えられる。 初年度の研究でマク博士は、この課題を詳しく調べるために数多くの手法を確立した。中耳および内耳の形態変化の評価法や、発生後期に起こる組織分離に至るまでの段階における遺伝子導入技術、ラベリング手法、in situ hybridizationの条件設定などである。 今年度(最終年度)、マク博士は初年度で確立した手法を用いて、中耳と内耳が機能的に関係しているだけではなく、発生過程でも相互作用があることを発見した。また内耳と同様、中耳にも組織が相互に作用して中耳骨格を特定する誘導経路があることを発見した。さらに中耳の誘導経路と内耳の誘導経路に共通領域があることを証明したのである。そして、この共通領域こそが内耳と中耳の発生に重要であると分かった。特に、内耳誘導物質Fgf19が咽頭内胚葉のパターン形成にも重要である事を発見した。このパターン形成された内胚葉は、後に中耳を誘導することができたのである。そこでマク氏は、確立したウィルスによるノックダウン手法を用いて、研究期間内にFgf19の発現を抑制し、内耳と中耳の発生への影響を調べることで、Fgf19の必要性を検証している。
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Research Products
(1 results)