2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07573
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
RAJ Ladher The Institute of Physical and Chemical Research, 感覚器官発生研究チーム, チームリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
O'NEILL Paul 独立行政法人理化学研究所, 感覚器官発生研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | 有毛細胞 / 感覚器官発生 / ニワトリ胚 |
Research Abstract |
本研究の主な目的は、ニワトリ胚と他の動物種の唇覚器官発生メカニズムを発見する事である。Dr. O' Neillの研究は、鳥類の中耳にある小さな感覚器官paratympanic organ(PTO)に注目している。PTOは、有羊膜類において機械的受容体(有毛細胞)の非耳プラコード由来の極めてまれな器官であるが、発生の過程で関与する分子・組織は未だ特定されていない。PTOは耳由来ではないが、感覚器官系起源の残物ともいわれている。発生に関するこのような情報は、内耳等、他の感覚器官の進化を知る手がかりになる。この謎めいた組織PTOの発生を理解し、そのメカニズムを耳のメカニズムと比較することで感覚器官発生過程を全般的に広く理解する事を目的としている。 本研究初年度、Dr. O' Neillは器官培養系を用いて、PTO形成に必要な因子群の解析を行った。その結果Bone Morphogenic Proteins(BMPs)がこの過程において重要な制御因子となっていることが判明した。さらに、アフィメトリック社製遺伝子Gene Chipアレイを用いて、PTO形成前の外胚葉組織で発現している遺伝子群を網羅的にスクリーニングした。結果、重要かつ新規なデータが得られた。現在、そのデータを用いて同種の他組織(有毛細胞を除く感覚神経)を生み出す頭部外胚葉の一部の領域との比較を行っている。これにより近々、感覚器官誘導の鍵となる重要因子が特定されると確信している。
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