2008 Fiscal Year Annual Research Report
植物・線虫相互作用解明のための植物寄生線虫の細胞壁分解酵素に関する生化学的研究
Project/Area Number |
07F07576
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Research Institution | Forestry and Forest Products Research Institute |
Principal Investigator |
窪野 高徳 Forestry and Forest Products Research Institute, 森林微生物研究領域, 領域長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
KARIM Nurul 独立行政法人森林総合研究所, 森林微生物研究領域, 外国人特別研究員
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Keywords | エクスパンシン / 植物寄生線虫 / 細胞壁分解酵素 / 菌植生線虫 / EST |
Research Abstract |
菌食性線虫Aphelenchus avenaeは系統的および生態的に菌食性線虫と植物寄生性線虫との境界に位置し、植物寄生性の進化を理解するのに重要なモデルである。さらにこの線虫の持つ乾燥状態で生存できる特別な能力はanhydrobiosisを理解するのに適したシステムである。Aphelenchus avenaeの分子的基礎を理解するためにEST解析を行った。Aphelenchus avenaeの増殖ステージcDNAライブラリーを構築し、それを用いて5000を超えるEST(Expressed Sequence Tag)を獲得した。整形、クラスタリング、アセンブルの結果、2700のユニジーンを含んでいることが明らかとなった。比較解析の結果、1566(58%)のクラスターがCaenorhabditis elegansと類似性を持ち、1750(65%)が他の線虫、1321(49%)が線虫以外と類似性を示した。また、919(34%)はどの配列ともマッチしなかった。アノテーティングによって、植物または菌細胞壁分解酵素と高い相同性をもつクラスターを発見した。その中からセルラーゼをコードする2遺伝子およびペクチン分解酵素をコードする2遺伝子の全長をクローニングし解析を行った。これらの成果から得られる情報を持って、植物寄生線虫との比較解析をさらに推進することによって、植物寄生のストラテジーと進化を理解するのに役立つ。また、注釈のついたEST情報はAphelenchus avenaeの分子的基礎を理解する出発点となりうるものである。
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Research Products
(3 results)