2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07583
|
Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
高橋 政代 The Institute of Physical and Chemical Research, 網膜再生医療研究チーム, チームリーダー
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
JIN Zi-Bing 独立行政法人理化学研究所, 網膜再生医療研究チーム, 外国人特別研究員
|
Keywords | 網膜色素変性症 / 遺伝子診断 / 新規変異 / 弧発 / 遺伝形式不明 / 遺伝カウセリング |
Research Abstract |
網膜色素変性(RP)は網膜視細胞の機能が障害される遺伝性の疾患群である。近年では、緑内障と糖尿病網膜症に続いて成人中途失明原因の第三位であり、遺伝性失明、また、60歳以下視覚障害者の最大の原因である。原因となる遺伝子変異は多数解明されているものの遺伝子診断を一般的な臨床検査とするまでにはまだまだ多くの課題が残っている。まず、全身疾患を伴わないRPについてこれまでに原因遺伝子が判明しているのは少なくとも37個と多数ある。 RP患者の半分以上は弧発や遺伝形式不明であり、遺伝子診断や遺伝カウンセリングはほぼできないのが現状であり、多数の患者が遺伝子診断及び遺伝カウンセリングを受けられない状態である。 また、臨床症状の異質性(ばらつき)や多様性も正確な診断と遺伝形式判断を難しくする原因である。 我々は効率とコストの面を考えながらdHPLCを用いた方法で遺伝形式を問わず全てのRP患者における網羅的な変異解析を試みた。多施設で利用できる同様の網膜色素変性遺伝子診断システムに改良していくにあたって、過去の遺伝子診断の経験を生かし、さらに精度の高いシステム構築を行った。神戸市立医療センター中央市民病院の倫理委員会承認のもと、同眼科を受診し、本研究に同意を得た遺伝性網膜疾患の患者(および可能ならその家族)に対し眼科臨床診断を行った上で、遺伝子診断を行った。また、過去に京都大学で同様に施行した約300例の遺伝子診断の結果を解析した。 具体的には、これまで変異報告がある30個の遺伝子、108エキソンを検索し、京都大学の症例では約15%の弧発例や遺伝形式不明の患者で原因と思われる遺伝子変異を検出。その内、18個は新規変異であった。神戸医療センター中央市民病院でも約30例の遺伝子診断を行った。
|
Research Products
(4 results)