Research Abstract |
平成19年度における,本研究の遂行期間は,平成19年11月から3月までの4ケ月間であったが,以下の内容について研究を遂行した. 1. 過去の気候変動について,増幅して記録している大陸縁辺海、オホーツク海(「みらい」航海MRO6-04,「よこすか」航海YK07-12)で採取した海底堆積物コアについては,特に,温暖期(完新世,ステージ5e,9,11)の環境プロクシの分析を海洋研究開発機構の設備(特に,非破壊コア解析装置,酸素炭素同位体質量分析計)を用いて行った.結果として,採取されたコア(MR06-04-PC7)における底生有孔虫の酸素同位体比の変動から,温暖期(完新世,ステージ5e,9)の層序的な位置を確認し,年代モデルを構築した.また,海底堆積物コアの,深度方向5mm間隔で行った非破壊蛍光X線解析から,特にカルシウム(Ca)の変動に急激で,突然の気候変化-ダンスガードエシュガーサイクルが明確に見つかることを確認することができた. 2. 現代の温暖化に伴う気候偏差を把握するために,地中海,オホーツク海について,利用可能な世界各国の,気候観測ステーションのアーカイブされた月別観測データ(気温,降水量など)を収集し,全世界各地における,異なる地域間の比較のため生データを数値処理するための情報収集を行った. 3. 本研究のアイデアおよび現在までの成果に関し,2008年5月25日より5月30日まで、幕張メッセ,国際会議場で行われる,日本地球惑星化学連合2008年大会に研究発表を行えるよう,要旨申し込みを行った.
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