2007 Fiscal Year Annual Research Report
不安定核ビーム高スピンγ線分光によるエキゾチック核の集団性
Project/Area Number |
07F07605
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
櫻井 博儀 The Institute of Physical and Chemical Research, 櫻井RI物理研究室, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DOORNENBAL Pieter Christiaan 独立行政法人理化学研究所, 櫻井RI物理研究室, 外国人特別研究員
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Keywords | 不安定核ビーム / インビームγ線分光 / 二段階破砕反応法 / ラインシェイプ解析法 / 集団運動 |
Research Abstract |
本年度は、昨年11月の来日以来、来年度に行われる予定の実験に向け、準備を行った。特に、不安定核の励起準位の寿命から遷移確率を得る、新しい実験手法の検討を行った。所期の目標は、理研RIビームファクトリーで得られる高速不安定核ビームを利用し、2段階破砕反応法によるインビームガンマ線分光を行い、不安定核の未知の第一励起準位のみならず第二、第三の励起準位を、入射核破砕反応を用いて生成し、脱励起時に放出されるガンマ線の測定から、これらの準位エネルギーを決定することを考えていた。来日後は、このようなエネルギーの測定とともに励起準位の寿命測定も付け加えることも検討した。この寿命測定が可能となると励起準位のスピン・パリティに関する情報が得られるだけでなく、不安定核の集団性についてのより詳細な情報を取得することができることになり、核構造の研究を一挙に進めることが可能となるからである。そこで、現在理研で利用できるガンマ線検出器を利用して、寿命測定を行う方法を調べた。まずは、ガンマ線スペクトルのライン形状から寿命を測定する方法について検討した。過去にドイツGSI研究所で得られたデータを解析しつつ、モンテカルロシミュレーションなどの数値計算結果との比較を行って、寿命をどの精度で得ることができるかを定量的に見積もった。また、ストリップGeテレスコープを用いた場合についても検討を行った。この場合は、ガンマ線の出射角を精度よく測れるため、精度のよい寿命測定が可能になる。これらを総合して実験セットアップの検討を行う。
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