2008 Fiscal Year Annual Research Report
経皮デバイスの軟組織接着を向上させるためのセメント質様構造表面層の形成
Project/Area Number |
07F07608
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
伊藤 敦夫 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 人間福祉医工学研究部門, 研究グループ長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Xiupeng 独立行政法人産業技術総合研究所, 人間福祉医工学研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 経皮デバイス / 軟組織 / 接着 / セメント質 / 抗感染 / シグナル物質 |
Research Abstract |
本年度は、過飽和溶液法で作成した試料のin vitro評価と並行しin vivo評価の技術取得に取組んだ。Step 2(構造タンパクとシグナル分子の担持)陽極酸化チタンに、医療用輸液の混合により作製したリン酸カルシウム過飽和溶液を使用して、FGF-2と同時にコラーゲン、アスコルビン酸塩(AsMg)あるいは亜鉛のいずれかのシグナルの共沈担持を試みた。AsMgとFGF-2は同時担持が可能であり、生体活性の向上に十分な量が担持された。また、FGF-2と亜鉛あるいはコラーゲンとの同時担持においても複合層は形成可能であった。一方、テンプレート材の種類と化学組成の調節により種々のメソポーラス構造を有するバイオガラス表面層の作製にも初めて成功した。 Step 3(in vitro評価)各種試料上に線維芽細胞様のNIH3T3、あるいは骨芽細胞様のMC3T3-E1を播種し、試料表面層に担持されたシグナル分子が細胞に与える影響を検討した。AsMg-FGF-2同時担持層の場合、NIH3T3の増殖を促進するがMC3T3-E1の増殖には寄与しなかった。AsMg単独担持ではMC3T3-E1の増殖・分化を促進することから、骨組織及び上皮組織に対して個別にシグナル分子の組合せを決定する必要性が示唆された。メソポーラスバイオガラス表面層については、基礎データ取得のため、単独でin vitro評価を行った。その結果、メソポア構造と化学組成を調節することでMC3T3-E1の接着・増殖・分化の促進効果が確認された。 Step 3(in vivo評価)研究分担者がウサギを用いた経皮デバイスのin vivo抗感染試験の実験手技、及び同試験で作製された皮膚及び骨組織標本の観察により、炎症反応の有無を組織学的に評価する技術を習得した。本活動は実験試料のin vivo評価実験を研究分担者が行うために不可欠であった。
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Research Products
(1 results)