2007 Fiscal Year Annual Research Report
ランタン六方ホウ化物ナノワイヤを用いた新型電子エミッタの開発に関する研究
Project/Area Number |
07F07612
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Research Institution | National Institute for Materials Science |
Principal Investigator |
唐 捷 National Institute for Materials Science, 材料ラボ, グループリーダー
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ZHANG Han 物質・材料研究機構, 材料ラボ, 外国人特別研究員
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Keywords | ナノワイヤ / LaB_6 / 単結晶 / 電界放出特性 / 電子エミッタ |
Research Abstract |
希土類六ホウ化物の応用の一つとして電界放射型陰極がある。電界放射型陰極は、熱陰極に較べ輝度が約1,000倍も高いため、走査型電子顕微鏡をはじめ、各種の電子線装置にすでに適用されている。 電界放射型陰極の材料に一般的に望まれる性質は、機械的強度が大であること、イオンスパッタ率が小さいこと、高融点であること、蒸気圧が低いことなどである。希土類六ホウ化物はこれらの条件を満たす材料の一つである。例えば、硬度はWより4倍硬く、イオン衝撃に強い。また、仕事関数はWが4.5eVであるが、LaB_6は2.8であり、Wと較べて優れた電界放射特性を示している。単結晶LaB_6の熱陰極の輝度はWの100倍あり、よく知られているように熱陰極として現在実用化されている。しかし、単結晶LaB_6は加工性が悪く、チップの最小先端径が5-100μmと、シャープなチップの作製が困難なために、電界放射型陰極の素材として使えない。 最近、われわれは世界で初めて、化学気相堆積(CVD)法による希土類ホウ化物(LaB_6)単結晶ナノワイヤの作製に成功した。これらのホウ化物ナノワイヤは、先端の直径が数十nmで長さは数μmあり、電界放射型陰極として非常に有望である。本研究では、これらのナノワイヤを用いて、ナノサイズ高分解能電界放射型陰極を試作することと希土類ホウ化物の単結晶ナノワイヤの他の応用及び基礎物性を探索することを目的とした。内容としては、1)高品質ホウ化物の単結晶ナノワイヤを作製し、その電界放射特性や力学特性を測定した。2)ナノサイズ高分解能電界放射型陰極の作製を試みた。これまでの研究により、汎用電界放射型陰極の場合より一桁低い真空度を使用するにもかかわらず、希土類ホウ化物の単結晶ナノワイヤエミッタで輝度が一桁上がり、また、電流安定性がはるかに増加するという結果が得られた。
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