2008 Fiscal Year Annual Research Report
サブバンド間遷移超高速光スイッチの低エネルギー動作化に関する研究
Project/Area Number |
07F07614
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
秋本 良一 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, ネットワークフォトニクス研究センター, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CONG Guangwei 独立行政法人産業技術総合研究所, ネットワークフォトニクス研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | サブバンド間遷移 / 超高速全光スイッチ / 量子井戸 |
Research Abstract |
将来の大容量・超高速光通信・光信号処理技術にむけて、小型・低消費電力で動作するサブバンド間遷移型の超高速全光スイッチの研究開発を行っている。現状では低エネルギー化か当面の最重要課題となっている。InGaAs/AlAsSb量子井戸を対象としてスイッチ動作を生じさせる位相変調効果のメカニズム解明と高効率な位相変調効果を得るための量子井戸構造の設計指針について検討した。InGaAs/AlAsSb結合二重量子井戸をスイッチ活性層とするハイメサ型の光導波路構造の位相変調特性について測定を行った。量子井戸に形成された第一・第四サブバンド間をTM偏波光パルス(波長1560nm、パルス幅約2ps、繰り返し10GHz)により光励起すると、TE偏波CWプローブ光に対して約4psの時間幅を持つ非線形位相シフトが発生する。その非線形位相シフト量のプローブ波長依存性を測定した。位相シフトは1650〜1260nmの広い波長範囲で発生すると同時に、短波長側で大幅に増大していることを発見した。サブバンド間遷移の励起によりフェルミレベルが変化し、バンド間遷移分散が変調を受けるというモデルを考えると、この波長依存性をうまく説明することが可能である。このモデルで計算すると実験結果の波長依存性をうまく説明できることがわかった。位相変調効率を増大させるためには、さらにバンド分散効果を有効に利用する必要がある。バンド間遷移吸収波長を1.55μm付近まで長波長化するため結合障壁層としてAlGaAsを利用した。この量子構造による従来より3倍程度の大きな位相変調効率が得られた。
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Research Products
(3 results)