2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07615
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
越崎 直人 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 界面ナノアーキテクトニクス研究センター, 研究チーム長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Liang 独立行政法人産業技術総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 1次元ナノ構造 / 物性 / 酸化コバルト / 斜め蒸着 / 電導性 / ガスセンサ / 集合体 / 光応答型 |
Research Abstract |
本研究では、1次元ナノ構造集合体の調製・物性測定技術と、1次元ナノ構造体1本の物性測定技術を組み合わせることで、個々の1次元ナノ構造体のもつ物性の精密測定や統計的評価を行い、サイズ効果が現れる条件を精密に決定するとともにサイズ効果の本質やメカニズムについて検討することを目標に研究を進めた。まず、初年度は、斜め蒸着法により酸化コバルトのナノワイヤ集合構造体の調製を試みた。レーザーアブレーション法を用いて、蒸発種の方向性が強い圧力条件である高真空条件下で、ターゲット基板間距離を大きく取り、かつ基板をターゲット方向に対して傾けて、蒸発種が基板をかすめるように付着する条件を選択して実験を行った。その結果、その角度が70°の時に、ワイヤ状の組織が観測され、それ以外の角度では表面荒さの異なる薄膜状物質が形成された。いずれの条件下でも、X線回折や光電子分光法による分析の結果からCo0が得られていることがわかった。角度以外のパラメータについてもターゲット基板間距離とレーザーエネルギーの効果を検討したところ、蒸着種が付着する時のエネルギーが1次元ナノ構造生成に重要な役割を果たしていることが推測された。さらに、1次元ナノ構造の生成条件をより精密に決定するために必要な装置の改良についても検討を進めた。また、酸化コバルトはこれまでのわれわれの研究により、ナノサイズ化すると結晶構造の高速変態を起こすようになり光応答型のガスセンサ特性を示すことがわかっているが、本研究で得られた酸化コバルトナノ構造体の光応答型ガスセンサとしての可能性についての検討を行うための予備実験を行った。
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