2007 Fiscal Year Annual Research Report
希土類金属リサイクルのための溶媒抽出分離モデルの開発
Project/Area Number |
07F07616
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 幹也 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 環境管理技術研究部門, 研究グループ長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUANG Ying 独立行政法人産業技術総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 希土類金属 / 溶媒抽出 / シミュレーション / ミキサーセトラ / ホールドアップ / 比界面積 |
Research Abstract |
希土類金属の連続抽出挙動を検討するための準備として、連続抽出装置であるミキサーセトラ内の流動特性を検討した。まず、有機相、水相流量を変化させて、ミキサでの分散相(即ち有機相)ホールドアップ(体積分率)を測定した。実験データをTakahashi-Takeuchiモデルにより解析し、モデルにおける拡散速定数及び有機相の水相に対する相対速度を求めた。次に、得られた拡散定数及び相対速度を用いて、異なる流量での分散相ホールドアップ値を計算した。計算したホールドアップ値を使い、分散相液滴のSauter平均径をTakahashi-TakeuchiモデルやCalderbankモデル等により推算した。これらの結果より、ミキサ内の水相一有機相間の比界面積を求めた。 求めた比界面積と、すでに取得済みであった使用済無電解ニッケルめっき液からのニッケルの連続抽出・逆抽出データを用いて、抽出率及び逆抽出率を精度良く再現する速度定数を求めることができた。今後、同様の手法により、希土類抽出系の連続操作の解析が可能であると期待できる。 これらの検討結果は2008年資源・素材学会春季大会で発表した。また、国際誌Journal of Hazardous Materialsへ投稿中である。 ネオジム磁石の湿式リサイクルプロセスの検討として、ジスプロシウム、ネオジム、プラセオジム、鉄、ホウ素、ニッケルを含む模擬液からの、D2EHPA、PC88A、Cyanex272の3種の酸性有機リン抽出剤による各元素の平衡抽出特性を調べ、pH2以下においてニッケルとホウ素は全く抽出されないこと及びジスプロシウム、(ネオジム+プラセオジム)、鉄間の相互分離が可能であること、抽出が起こるpH範囲は、抽出剤の酸性度の強さと相関することを明らかにした。また、この結果に基づいて、酸性有機リン抽出剤によるジスプロシウムの抽出平衡データの取得を開始した。 さらに、水溶液内溶質活量推算のためのOLIシステム操作法に習熟する目的で講習会に参加した。
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Research Products
(1 results)