2009 Fiscal Year Annual Research Report
希土類金属リサイクルのための溶媒抽出分離モデルの開発
Project/Area Number |
07F07616
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Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
田中 幹也 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 環境管理技術研究部門, 研究グループ長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUANG Ying 独立行政法人産業技術総合研究所, 環境管理技術研究部門, 外国人特別研究員
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Keywords | 溶媒抽出 / ジスプロシウム / PC88A / Alstad式 / リサイクル |
Research Abstract |
溶媒抽出法は、比較的高濃度の溶液を迅速かつ選択的に分離する方法として知られ、レアメタルのリサイクルにもその適用が期待されている。本研究は、溶媒抽出法を利用した。使用済みネオジム磁石からのジスプロシウムの回収のための基礎研究に位置づけられるものであり、ジスプロシウムの選択的分離回収に適している酸性有機リン抽出剤による抽出平衡挙動を把握し、モデル化定量化することを目的とした。 今年度は最終年度として、データ解析を進めるとともに、これまでのまとめとして、学会での発表や論文執筆を目的とした。 すなわち、これまで取得したPC88Aによる硝酸溶液からのジスプロシウムの平衡抽出データを、抽出の量論関係として、 Dy^<3+>+3(HR)_2=DyR_3・(HR)_3・3H^+ を仮定して解析したこところ、見かけの抽出平衡定数KexとAlstad式中の係数Aを精度良く求めることができた。ここにHRはPC88A分子、上線は有機相中の化学種であることを示している。 これらの成果を国際シンポジウムThe 2009's Fifth International Conference on Hydrometallurgyに発表した。このシンポジウムに投稿した論文の中から選抜されたものが国際誌Hydrometallurgyへの掲載審査に回される予定であり、現在選抜作業中である。 また、硫酸溶液からの抽出データも、硝酸系で得られた見かけの抽出平衡定数を用いて定量的に表すことができることもわかった。塩酸溶液からの抽出データについては、見かけの抽出平衡定数の値にわずかな違いが見られた。この違いの原因を明らかにするために、塩化物イオンの共抽出があるかどうかについてイオンクロマトグラフを用いて調べたが、共抽出は認められなかった。原因究明は今後の課題として残った。
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Research Products
(3 results)