2009 Fiscal Year Annual Research Report
植物の乾燥・塩ストレス応答に関与する転写因子DREB2の機能解析
Project/Area Number |
07F07618
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
篠崎 和子 Japan International Research Center for Agricultural Sciences, 生物資源領域, 特定研究主査
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
QIN Feng 独立行政法人国際農林水産業研究センター, 生物資源領域, 外国人特別研究員
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Keywords | シロイヌナズナ / 環境ストレス応答 / 転写因子 / 遺伝子発現 |
Research Abstract |
本研究では、乾燥・高温ストレス応答の双方に関与するシロイヌナズナ転写因分DREB2A結合タンパク質を同定し、植物中におけるこのタンパク質の働きや安定性のメカニズムを解明することを目的とした。DREB2A結合タンパク質は、DREB2A遺伝子を過剰発現させた植物中では不安定であることがわかっており、タンパク質の転写活性化には転写後修飾が必要であると考えられた。DREB2A結合タンパク質を同定し、機能を解析するために、本年度は、(1)酵母ツーハイブリッド・スクリーニングと相互作用解析、(2)RNAの抽出、リアルタイムPCRならびにノーザン解析、(3)試験管内ユビキチン化実験ならびにウェスタン・ブロット解析を実施した。その結果、(1)DREB2A相互作用するタンパク質として単離したDRIP1,DRIP2と、DREB2Aとの相互作用を確認した。(2)DRIP1タンパク質とDRIP2タンパク質は、ユビキチンE3リガーゼとして機能することが示された。(3)drip1drip2二重変異体を用いた解析により、DRIP1、DRIP2タンパク質がストレス応答においてネガティブな役割を持っていることが示唆された。本研究課題を通じて、通常生育条件下においてDREB2A遺伝子は根と子葉においてわずかな発現をしているが、恒常的に発現しているDRIP1タンパク質によって認識・分解されることにより、DREB2Aのもつ植物の生育に対するネガティブな影響を最小限に食い止めているのではないかと推察された。
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Research Products
(5 results)