2007 Fiscal Year Annual Research Report
c-Metによる乳癌の浸潤過程におけるArf6の活性およびArfGEFの関与
Project/Area Number |
07F07620
|
Research Institution | Osaka Bioscience Institute |
Principal Investigator |
佐邊 壽孝 Osaka Bioscience Institute, 分子生物学部門, 研究部長
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
NAM Jin-Min (財)大阪バイオサイエンス研究所, 分子生物学部門, 外国人特別研究員
|
Keywords | 乳癌 / 浸潤 / c-Met / HGF / Arf6 / ArfGEF |
Research Abstract |
増殖因子の一つである肝細胞増殖因子受容体(c-Met)は、乳癌を含む複数の癌においてその過剰発現が認められており、c-Metの過剰発現が乳癌の転移や予後の悪化と相関することが複数報告されている。しかしながら、その詳細な分子機構に関しては未だ明らかにされていない。一方、低分子量G蛋白質Arf6はc-MetのリガンドであるHGFによって活性化されることが報告されている。Arf6が乳癌細胞の浸潤仮足に集積し、siRNAによるArf6蛋白質の発現抑制あるいはGTPaseサイクルの変異体の発現によって浸潤仮足の形成及びマトリックスの分解が抑制されるなど、乳癌細胞の浸潤過程に関与することが明らかにされている。本研究においては、HGFとc-Metによる乳癌の浸潤過程の解明のため、HGF刺激によるArf6の活性化の分子機構を明らかにすることを目的とし、研究を行った。まずその活性化因子であるGEF(guanine nucleotide exchange factor)の同定を試みた。EGFシグナルにおいては、ArfGEP100がEGFRと結合し浸潤活性に関与することを当研究室で既に報告している。そこで、ArfGEP100がHGFによる浸潤過程に関与するかを確かめるための、HGFの刺激によってArfGEP100とc-Metの相互作用が検出できるかをin vitro結合実験によって検討を行った。c-MetとArfGEP100の直接結合が検出できず、何らかのアダプター蛋白質を介して相互作用し得る可能性が非常に高いことが研究によって示唆された。
|
Research Products
(1 results)