2007 Fiscal Year Annual Research Report
カドヘリン依存細胞接触による細胞膜ラフリング及び運動の制御機構
Project/Area Number |
07F07621
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Research Institution | The Institute of Physical and Chemical Research |
Principal Investigator |
竹市 雅俊 The Institute of Physical and Chemical Research, 高次構造形成研究グループ, グループディレクター
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
PLATEK Anna Karolina 独立行政法人理化学研究所, 高次構造形成研究グループ, 外国人特別研究員
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Keywords | Napl / lamellipodia / 接触阻害 / カドヘリン / カテニン / アクチン / U251 / 細胞運動 |
Research Abstract |
U251グリオーマ細胞を使って、細胞運動の接触阻害の分子機構に関する研究を開始した。細胞の運動をけん引するlamellipodiaには、アクチンの重合制御に関わるNaplが局在する。しかし、この分子は細胞相互の接触と同時に接触部位から消失することが、我々による予備実験からわかっていた。また、細胞運動の接触阻害は、lamellipodiaの活動停止を伴うことが知られているが、この現象は、細胞間接着のために必須の役割を果たしているカドヘリンの活性に依存する可能性が指摘されていた。ここで、lamellipodiaの活動停止は、カドヘリン依存接着によってNaplが細胞周縁部から除去されることが重要ではないかというモデルが成り立つ。このモデルを検証するための予備実験として、まず、U251グリオーマ細胞が発現するカドヘリンと、その活性を支えるα-カテニンのタイプを調べた。その結果、N-カドヘリンとαE-カテニンが検出された。次いで、それぞれのsiRNAを用意し発現抑制を試みた結果、両者ともに適切な実験条件が見いだされた。そして、これらの分子の発現抑制実験の結果、いずれの分子を除去した場合でも、細胞が互いに接触した時、Naplを含むlamellipodiaが、細胞接触部位から消失しないこと観察された。すなわち、上記のモデルの正しさが立証され、この問題の分子機構を解明するための基盤が整った。今後、カドヘリン依存接着により何故Naplが消失するのかについて、さらなる解析を進める。
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