2008 Fiscal Year Annual Research Report
シロイヌナズナの低温ショックドメインタンパク質の分子機能解明
Project/Area Number |
07F07628
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Research Institution | National Agricultural Research Organization |
Principal Investigator |
今井 亮三 National Agricultural Research Organization, 北海道農業研究センター低温耐性研究チーム, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
RADKOVA M.I. 北海道農業研究センター, 低温耐性研究チーム, 外国人特別研究員
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Keywords | シロイヌナズナ / RNA結合タンパク質 / RNAシャペロン / 低温ショックタンパク質 |
Research Abstract |
生化学的手法により低温ショックドメインタンパク質と相互作用するタンパク質を同定することを試みた。低温ショックドメインタンパク質は生長点近傍で発現するが、シロイヌナズナの茎頂組織は極めて小さく、生化学的手法による解析を行うためには、多量の植物体を調整する必要がある。そこで、コムギを材料として、同様の低温ショックドメインタンパク質WCSP1と相互作用するタンパク質をまず同定し、次にそのコムギタンパク質のシロイヌナズナオルソログを単離するというアプローチを取った。コムギの茎頂(クラウン)組織十分に大きく、比較的少数の固体を用いて生化学的な解析が可能である。 低温馴化をかけたコムギクラウン組織より可溶性タンパク質を調整し、GST融合タンパク質として大腸菌より調整したWCSP1と混合し、複合体を形成させた。グルタチオンセファロースカラムを用いて、GST-WCSP1及び複合体形成タンパク質を精製し、SDS-PAGE上で分離した。27kDと35kDの2本の相互作用タンパク質バンドが検出された。LC-MS/MS解析によりそれぞれのバンドに相当するタンパク質の同定を行った。コムギESTデータベースに基づくMASCOUT解析の結果、35kDバンドからは2種類のタンパク質、リボソームタンパク質S4及び14-3-3タンパク質に由来するペプチドが同定された。次に、これらのタンパク質とWCSP1の相互作用を確認するため、酵母two-hybrid解析を行った。WCSP1をbait,S4タンパク質をpreyとした検定では、相互作用が検出された。これらの結果から、リボソームタンパク質S4がWCSP1の相互作用タンパク質の1つであることが明らかとなった。従って、低温ショックドメインタンパク質WCSP1は翻訳装置であるリボソームと結合している可能性が強く示唆された。
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