2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07630
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Research Institution | 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター) |
Principal Investigator |
岩田 岳 独立行政法人国立病院機構(東京医療センター臨床研究センター), 東京医療センター臨床研究センター・分子細胞生物学研究部, 部長
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
CHI ZAI-LONG 独立行政法人国立病院機構東京医療センター, 臨床研究センター・分子細胞生物学研究部, 外国人特別研究員
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Keywords | 緑内障 / プロテオーム / 網膜神経節細胞 |
Research Abstract |
緑内障患者から収集した血液検体から血漿を分離し、高分子タンパク質を除去した後、逆相高速液体クロマトグラフィー(GEヘルスケア社、AKTA explorer)を用いて分画精製した。得られた各分画を濃縮してトリプシン消化をし、イオントラップ型LC/MS/MS質量分析計(Thermo Electron社、LCQ DECA XP PIus)で解析した。専用ソフトBioworksとPhenyxを用いて疾患に関連性の高い新規蛋白質をそれぞれ同定した。本研究によって血漿中の疾患バイオマーカー蛋白質の発見とその定量的な測定による、発症前診断法の開発を目指す。 CFPトランスジェニックマウスを用いた網膜神経節細胞の初代培養、評価解析のための実験系を確立した。トランスジェニック動物モデルについては眼底評価、切片作製、コピー数などを調べ、Strain選別を行い、CFPトランスジェニックマウスと交配繁殖させた。このマウスについては、生きたまま眼底による網膜神経節細胞をリアルタイムで評価でき、表現型の解析に重要な情報を得ることが可能で、今後の研究で非常に有用である。 新規同定したタンパク質に対する機能解析やトランスジェニック動物モデル、初代培養網膜神経節細胞における神経節細胞死、軸索伸長、分布などの評価解析を通して、緑内障の発症メカニズムの解明と共に遺伝子治療の可能性や新たな治療薬の開発が期待される。さらに、緑内障の治療の一環として網膜の神経幹細胞からニューロンへの分化制御や軸索再生への研究により、失われた視力や視野の回復が期待される。
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