2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07703
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高濱 洋介 The University of Tokushima, グノム機能研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUANG Fu-Shen 徳島大学, ゲノム機能研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 免疫学 / 胸腺 / 自己寛容 / 自己識別 / 生命システム形成 / Tリンパ球 / レパトア選択 / IANファミリー |
Research Abstract |
ヒトを含めた脊椎動物の生体防御に中心的役割を担うTリンパ球は胸腺において分化成熟する。胸腺では、自己反応性の有害なTリンパ球は排除され、外来抗原反応性の有用なTリンパ球は分化誘導される。このような胸腺内での「正と負の選択」は、Tリンパ球の中枢性レパトア形成とも呼ばれ、免疫システムが自己構成成分に対して寛容である一方で外来抗原に対して反応性を示す「自己と非自己の識別」を確立するために主要な役割を果たす。本研究は、胸腺内での選択を担う細胞内の生死決定に関わるIANファミリー分子群の生体内における分子機能解析を目的としている。この目的で、正の選択における細胞生存の保証に関与するシグナル伝達分子として同定したIAN4およびIAN5のノックアウトマウスを作製し、表現型の解析を開始した。これまでのところ、IAN5ノックアウトマウスにおいてCD8キラーT細胞に特異的な細胞数減少が認められ、とりわけナイーブキラーT細胞数の著明な減少が観察された。現在、キラーT細胞数の減少がCD8T細胞に特異的な細胞生存能の低下によるのか解析を進めている。また、CD4ヘルパーT細胞には機能的な異常がないのか、IAN4ノックアウトマウスにおいても近似した表現型がみられるのかなど、解析を進めている。平成20年度には本解析を完了することによって、Tリンパ球による自己・非自己の識別機構の解明とその異常に基づく免疫病の病態の解明ひいては自己免疫疾患の根本的治療法の開発に貢献することを目指す。
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Research Products
(36 results)