2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07703
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
高濱 洋介 The University of Tokushima, 疾患ゲノム研究センター, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
HUANG Fu-Shen 徳島大学, 疾患ゲノム研究センター, 外国人特別研究員
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Keywords | 免疫学 / 胸腺 / 自己寛容 / レパトア選択 / IAN4 / IAN5 / 細胞生存 |
Research Abstract |
ヒトを含めた脊椎動物の生体防御に中心的役割を担うTリンパ球は胸腺にて分化する。胸腺では、自己反応性の有害なTリンパ球は排除され、外来抗原反応性の有用なTリンパ球は分化誘導される。このような胸腺内での「正と負の選択」は、免疫システムが自己構成成分に対して寛容である一方で外来抗原に対して反応性を示す「自己と非自己の識別」を確立するために主要な役割を果たす。本研究では、正の選択における細胞生存の保証に関与する細胞質内GTPaseとして同定したIAN4の欠損マウスを作製するとともに、幼若期から成熟期の広い分化段階でTリンパ球の生存保証に関与する分子として同定しIAN4と近似した構造をもつIAN5のノックアウトマウスを作製した。 これまでに得られた予備的結果によれば、TAN4欠損マウスではTリンパ球分化にめだった障害はみとめられずTリンパ球分化にはIAN4が不要である可能性が考えられた。現在、TCRトランスジェニックマウスとの交配マウスの表現型を解析することで、胸腺内でのTリンパ球の正と負の選択におけるIAN4の機能を明らかにしようとしている。興味深いことに、IAN5ノックアウトマウスではCD8陽性Tリンパ球数が有意に減少していた。CD4陽性Tリンパ球においても細胞数のめだった減少こそみられないが抗原受容体シグナルによる増殖応答に有意な低下がみられた。これらの結果から、IAN5はCD8陽性Tリンパ球数の生成または維持に重要なシグナル伝達分子であることが考えられ、現在さらなる解析を進めている。また、IAN4およびIAN5のダブル欠損マウスの作製を進めている。
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Research Products
(43 results)