2007 Fiscal Year Annual Research Report
ヒガシナメクジウオ卵における受精前後の細胞内骨格と母性mRNAの動態
Project/Area Number |
07F07704
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Research Institution | University of Tsukuba |
Principal Investigator |
和田 洋 University of Tsukuba, 大学院・生命環境科学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ウ リチン 筑波大学, 大学院・生命環境科学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ナメクジウオ / Hox / ホヤ / シスエレメント / レチノイン酸 |
Research Abstract |
ヒガシナメクジウオの前後軸形成に関わる分子機構を探るため、Hox遺伝子に着目し、その転写制御機構の理解を目指した。ナメクジウオでは、技術的にトランスジェニック動物の作成が困難なため、胚操作、トランネジェニック技術の発達しているホヤを用いて、転写因子を特定し、その情報を元にナメクジウオの転写制御機構の解析を行うストラテジーをとった。まず、ホヤのHox1遺伝子の転写制御にレチノイン酸が関わっていることを明らかになっているので、それに関わるシス領域を同定した。その結果、レチノイン酸応答に関わるDR2タイプのRARE(レチノイン酸応答エレメント)を同定することが出来た。さらに、Hox1の転写制御機構が神経管と表皮で独立に制御されていることを明らかにした。現在までに、以下のような、表皮での発現制御機構を明らかに出来ている。表皮での発現には先述のDR2が必要だが、それだけでは十分ではない。もう一つのシスエレメントが必要である。この表皮における組織特異的なレチノイン酸応答に関わるもう一つのエレメントの解析を現在進めており、コンセンサス配列から候補となる遺伝子を絞り込んだ。その遺伝子の発現を解析したところ、期待通り表皮で特異的な発現をしていることまで明らかにしている。今後は、この遺伝子について、モルフォリノオリゴヌクレオチドを用いた機能阻害、ゲルシフトアッセイによるシスエレメントへの結合を解析していくことにより、この遺伝子とレチノイン酸レセプターの協働による遺伝子発現制御機構を明らかにしていく。
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