2008 Fiscal Year Annual Research Report
種々の活性化刺激が豚卵子表層顆粒の分布と機能に及ぼす影響
Project/Area Number |
07F07705
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
吉田 光敏 Kagoshima University, 農学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Jianhui 鹿児島大学, 農学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 表層顆粒 / 卵子成熟 / 活性化 / 電気刺激 / 超音波刺激 / サイトカラシン / ラトランキュリンA / 豚 |
Research Abstract |
哺乳動物卵子への多数の精子侵入は異常な胚発生と胚の発生停止をもたらす。多精子受精を防ぐ主な要因として、種々の活性化刺激による卵子表層顆粒の放出に依存する多精子拒否機構が挙げられる。一方、豚卵子の体外受精においては高い頻度で多精子受精が生じ、体外で高率に正常受精卵を得られる方法は未だ確立されていない。そこで、本研究では、豚卵子における種々の活性化刺激が表層顆粒の分布や放出および透明帯硬度に及ぼす影響を表層顆粒特異的レクチンプローブや体外受精を利用して検討することを目的とした。本年度は、豚卵子における活性化刺激における新規細胞骨格阻害剤ラトランキュリンAが活性化や表層顆粒の分布・放出に及ぼす影響を検討した。豚卵子は食肉センターで採取した卵巣から回収し、体外成熟した。豚卵子の表層顆粒の検出は蛍光標識しかピーナッツレクチンを利用し、共焦点レーザー顕微鏡でその分布や放出状況の観察を行った。卵子への物理的活性化刺激には電気的活性化処理を用いた。その結果、ラトランキュリンAは100nM以上の濃度で2倍体核単為発生卵の作出に有効であり、500〜1000nMでは劇的に作出効率を高めた。さらに、表層顆粒の分布や放出状況にラトランキュリンAの影響は観察されなかった。また、放出された表層顆粒により、透明帯の変化が誘起され精子の侵入が阻害されることが示された。これらのことから、今回使用した新規細胞骨格阻害剤ラトランキュリンAがブタ卵子核の活性化と卵細胞質の活性化に極めて有効ことが明らかとなった。
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Research Products
(2 results)