2007 Fiscal Year Annual Research Report
春至の粒子の生殖内分泌学的効果とその作用メカニズム
Project/Area Number |
07F07708
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Research Institution | University of Toyama |
Principal Investigator |
服部 征雄 University of Toyama, 和漢医薬学総合研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
馬 紅 富山大学, 和漢医薬学総合研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | エストロゲン / 春至顆粒 / 更年期障害 / 中医学 / 卵巣機能 |
Research Abstract |
「春至の粒子」は臨床において更年期障害を改善する漢方薬として中国で開発され、患者の血中エストロゲン(E_2)を高めて、臨床症状を改善する。しかし「春至の粒子」の薬理学的作用メカニズムは本研究を行うまで不明であり、この作用解明は、更年期障害はもち「うん癌に対する予防・抑制効果や抗老化作用に対する作用機序解明へ向けたきっかけとなることが期待できる。「春至の粒子」は4種の生薬、枸杞子、地黄、桑椹、紅花を原料として用い、これらの中から抽出、分離した多糖とフラボノイドから構成される。まずin vitroにおいて、「春至の粒子」に含まれる成分中にエストロゲン受容体との相互作用を示す成分の有無をYeast Two-hybrid Assayにて確認した。Yeastに組み込んだエストロゲン受容体αまたはβと「春至の粒子」を培養し、β-ガラクトシダーゼ活性を指標としてその相互作用を調べた結果、「春至の粒子」に受容体との相互作用を示す成分は認められなかった。しかし女性ホルモン依存性ヒト乳癌細胞MCF-7を用いた系において、「春至の粒子」は濃度依存的に弱い女性ホルモン様作用を示した。Yeast Two-Hybrid Assayは本来陽性であるものも陰性とする結果を与えてしまう欠点があり、上記の結果をさらに検討するためにinvivoにおける実験を行った。成熟雌ラットより両卵巣を摘出したものを購入し、春至の粒子を経口投与した。卵巣摘出による子宮重量減少は、春至の粒子の投与によって有意に回復した。すなわち春至の粒子にはエストロゲン様作用があることが示された。また、子宮と同様に副腎でも同じ結果が得られたことから、抗老化作用についても効果が期待できそうである。
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Research Products
(1 results)