2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07711
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
川合 康三 Kyoto University, 文学研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
張 紅 京都大学, 文学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 受容 / 唐詩選 / 唐詩 / 宋詩 / 比較文学 / 美意識 / 月 / 花 |
Research Abstract |
日本は文化の面でさまざまに中国から学んできた。文学においても早い時期の『文選』、のちの白居易、やがて蘇軾など、時代によって対象は異なりながらも、常に中国の文学から吸収してきたといってよい。江戸期にはまず荻生祖徠の提唱によって唐詩選が流行し、それは今日に至るまで日本の漢詩受容の基盤となっているが、しかし18世紀には漢詩人の間で盛唐詩離れが起こり、宋詩受容が始まる。宋詩は日本の和歌、俳諧などに近い面があり、受容が進んだ。そのような日本における漢詩受容のもとには中国の詩の受容が深く関わるものであり、どのような総集(アンソロジー)が日本に流布し、また和刻本が作られたかを探ることが必要となる。幸い、日本に将来された書物についてはこれまでの研究の蓄積があり、そうした先行研究を参考にしながら、実際の流布の状況を調べている。またこうした書物の調査とは別に、実際に詩によまれ歌に歌われたものが、どのような特色をもっているかについても考察を深めている。中国に多くを学んだはずの日本の文学が精神的な面、倫理的な面では確かに中国から多大な影響を受けながらも、感性、美意識の点では中国と異なるところが多く、日本独自の発展を遂げたことを、,月のとらえ方、花のとらえ方を典型的な例として対比した。
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Research Products
(2 results)