2007 Fiscal Year Annual Research Report
核酸医薬のデリバリーの為の高分子ミセル型ナノキャリアの開発
Project/Area Number |
07F07716
|
Research Institution | The University of Tokyo |
Host Researcher |
片岡 一則 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
|
Foreign Research Fellow |
CHRISTIE Ronald James 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | siRNA / drug delivery / polymeric micelle / PEG / disulfide bond / cross-link / active targeting / RGD peptide |
Research Abstract |
siRNAは、標的遺伝子を特異的かつ効率的にノックダウンできることから、がん治療分野への応用が期待されているが、そのためにはsiRNAを患部まで送達し、標的細胞内で効率的に機能発現させることのできる運搬体の開発が必要不可欠である。このような背景において、当研究室では、これまでにアニオン性のsiRNAとカチオン性ブロック共重合体の静電相互作用に基づいて形成される高分子ミセル型siRNAキャリアについて研究を行ってきた。そこで本研究では、以下の2つの項目について検討を行う。(1)ポリエチレングリコール(PEG)-ポリリシン(PLys)の側鎖にアミジン基(核酸と強い親和性を示す)とチオール基(ミセル内でジスルフィド架橋を形成させる)を同時に導入し、siRNAとの間で安定なミセル型構造体を形成させる。(2)PEGの末端にがん細胞や血管内皮細胞を特異的に認識するペプチドリガンド(環状RGD)を導入し、site-specific siRNAデリバリーを目指す。本年度は、まず(1)についての検討を行った。分子量12,000のPEGと分子量8,000のPLysの側鎖にトラウト試薬によりアミジン基とチオール基を導入し、siRNA内包架橋型高分子ミセルを形成させたところ、架橋無しのミセルは生理条件下で容易に解離してしまうのに対し、架橋型ミセルは解離しなかった。そして、培養細胞に対してRNAi効果を確認したところ、架橋なしミセルではほとんど効果が見られなかったのに対し、架橋ミセルでは大きな効果が見られた。さらに、架橋導入率の増大とともにミセルの血中滞留性が増層加し、架橋導入率90%近いミセルサンプルは、マウスの皮下腫瘍に対して制がん活性が確認された。今後は制がん活性条件の最適化とともに(2)の環状RGDを導入した系の確立を目指す。
|
Research Products
(11 results)