2008 Fiscal Year Annual Research Report
核酸医薬のデリバリーの為の高分子ミセル型ナノキャリアの開発
Project/Area Number |
07F07716
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Research Institution | The University of Tokyo |
Host Researcher |
片岡 一則 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Foreign Research Fellow |
CHRISTIE Ronald James 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | siRNA / drug delivery / polymeric micelle / PEG / disulfide bond / cross-link / active targeting / RGD peptide |
Research Abstract |
siRNAは、標的遺伝子を特異的かつ効率的にノックダウンできることから、がん治療分野への応用が期待されているが、そのためにはsiRNAを患部まで送達し、標的細胞内で効率的に機能発現させることのできる運搬体の開発が必要不可欠である。このような背景において、当研究室では、これまでにアニオン性のsiRNAとカチオン性ブロック共重合体の静電相互作用に基づいて形成される高分子ミセル型siRNAキャリアについて研究を行ってきた。そこで本研究では、以下の2つの項目について検討を行う。(1)ポリエチレングリコール(PEG)-ポリリシン(PLys)の側鎖にアミジン基(核酸と強い親和性を示す)とチオール基(ミセル内でジスルフィド架橋を形成させる)を同時に導入し、siRNAとの間で安定なミセル型構造体を形成させる。(2)PEGの末端にがん細胞や血管内皮細胞を特異的に認識するペプチドリガンド(環状RGD)を導入し、site-specific siRNAデリバリーを目指す。本年度は、(2)の調製された架橋ミセルヘのリガンド導入とその機能評価に焦点を当てて研究を遂行した。培養細胞(Hela)の共焦点顕微鏡観察によりリガンド効果を確認したところ、リガンドなしミセルは細胞膜周辺に留まっている画像が観察されたのに対し、リガンドありミセルは細胞質(各周辺部)に速やかに集積する画像が得られた。このことから、リガンドミセルは細胞表面のレセプターを認識し、積極的に標的細胞へと取り込まれたものと考察される。さらに、架橋導入率95%のリガンドミセルは、肺転移がんモデルマウスの腫瘍組織の遺伝子発現(ルシフェラーゼ)を抑制する効果が見られた。このことから、リガンドと架橋を組み合わせたsiRNAミセルを調製することにより、効率よく腫瘍にsiRNAを導入可能なキャリアの開発が可能であることが示唆された。
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Research Products
(5 results)