2007 Fiscal Year Annual Research Report
行列値作用素に対する多重スケール解析の展開:数理物理と量子力学のモデルへの応用
Project/Area Number |
07F07728
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前田 吉昭 Keio University, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOUMAZA Hakim 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 多重スケール解析 / ランダムウォーク / 状態密度 / シュレディンガー作用素 / 局所化問題 / 平衡状態 / リアプノフ指数 |
Research Abstract |
本年度の研究の目的は、今まで得た成果をもとに、行列値作用素に対する多重スケール解析を発展させることと、その手法を量子力学におけるシュレディンガー作用素に応用することである。また、シンプレクティック群のランダムウォークについても研究も本研究の目的としている。本年は、2007年9月に日本に到着し、研究推進のための準備を行ってきた。そのために、慶應義塾大学理工学部で毎週行われた2つのセミナーへの参加と企画により、多くの研究者との討論を行った。第一は、幾何学・トポロジーセミナーであり、第二は群上のランダムウォークについてのセミナーである。そのセミナーを通じて、本年の研究目的となる課題であるシュレディンガー方程式の固有値問題の現在での問題点を把握、さらに進展のための有益な議論が重ねられた。本年度は、招待講演を4回行った。第一は、慶應義塾大学COE Pure and Applied Mathematics Seminar,早稲田大学での講演、第3は慶應義塾大学幾何学・トポロジーセミナー、Poisson Geometry and Mathematical Physics Seminarである。これには、研究代表者を始め、国内の関連研究者および慶應義塾大学での研究者との討論、さらにはAlan Weinstein等の著名研究者の参加もあり、多くの助言を得ることができた。2008年には、大阪大学小谷眞一氏との共同研究を出発させている。2月に小谷眞一氏を訪ね、研究討論を行い、その結果、ランダムKDV方程式についての興味が一致し、共同研究へと発展させている。また、12月にはフランスへ海外出張し、Paris7大学とAix-Marseille大学行列値シュレディンガー方程式の固有値問題について、2回の講演を行った。これらのセミナーおよび研究討論で発展した結果の一部を現在原稿にまとめている。今年度の学術出版はないが、以下の論文を投稿中である。1)H. Boumaza, Holder continuity of the IDS for matrix-valued Anderson model, 2)H. Boumaza, Positivite des exposnats deLyapounovfour un operateur de Schorodinger a valeurs matricielles, 3)H.Boumaza, Holder continuitey of the IDS for a matrix-valuedd Andeson model.
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Research Products
(1 results)