2008 Fiscal Year Annual Research Report
行列値作用素に対す多重スケール解析の展開:数理物理と量子力学のモデルへの応用
Project/Area Number |
07F07728
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Research Institution | Keio University |
Principal Investigator |
前田 吉昭 Keio University, 理工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BOUMAZA Hakim 慶應義塾大学, 理工学部, 外国人特別研究員
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Keywords | localization on the Anderson model / Matrix-valued operators / Liapnov exponent / desity of states / 国際研究者交流 / フランス |
Research Abstract |
本年度は、行列値シュレディンガー方程式のインテグレーテッド状態についての研究を行い新たな正則性についての結果を得た。これは、この分野の専門学術雑誌であるReviews of Mathematical Physics 2008に発表した。この論文のなかで、本成果で得られたインテグレーテッド状態の正則性とリアプノフ指数を将来一般化して用いたい理論的枠組みの可能性についても検証できた。 この手法と同様のやり方は、行列値点相互作用モデルの設定を行うことができ、それによてこのモデルについて同じような正則性の結果を得ることができた。特に、3次元の場合での特別なモデルに対する一般的な設定により、このモデルのランダムネスの伝播について興味ある現象を発見することができた。 この研究期間のなかで、最初の研究のモチベーションであった、行列値作用素に対する多重スケール解析についても考察を行った。これによりAnderson localizationについて固有値問題と力学系の両方の立場からの一般的な結果をえることができた。これを応用することで、任意のN×N行列ポテンシャルの場合の行列値シュレディンガー作用素についての考察が可能となった。この結果は現在学術論文に投稿中である。
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Research Products
(3 results)