2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07729
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
藤田 博之 The University of Tokyo, 生産技術研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DUCLOUX Olivier 東京大学, 生産技術研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | インスリン / 微小流体工学 / マイクロマシニング / バイオセンサー / ラボオンチップ / 膵臓ベータ細胞 |
Research Abstract |
SOIウェハを用いて深堀エッチングを行い、微小サイズのシリコンマイクロカンチレバーを作製した。そのサイズは、長さが400ミクロン、幅が200ミクロン、厚さが11ミクロンである。またカンチレバーはTbFe/FeCo構造を25回繰り返したナノ構造磁歪膜で覆われており、最後にPDMSチップによりパッケージされている。このカンチレバーは液体環境下で高い共振周波数とQ値を示し、カンチレバー上方のみで水の負荷が存在する。カンチレバーは溶液中の細胞濃度を素早く適正に計数する装置として使用する。 同様の原理により、更に微小なカンチレバー(50×10×1.5ミクロン)を作製、パッケージした。これは極少インスリン濃度の正確なモニタリングを目的とする。カンチレバーはSiO2層で覆われ、更に機能化されている。機能化化学溶液により、APTESとグルタルアルデヒドの架橋結合を用いて抗インスリン抗体の共有結合を可能にする。レーザドップラー速度測定計により、カンチレバーの共振周波数を測定し、またカンチレバーは光熱効果により動作する。今までバイオセンサ上のインスリンは機能化段階と異なり、再生産が確認されていなかった。 直径が5から20ミクロンのTi/Pt電極をガラス基板上にパターニングし、SiO2層で絶縁し、最後にRTVベースにカルシウムイオノフォアと添加物を加えた、イオン感受性のポリマー膜で覆う。作製したデバイスはガラス基板と接合したPDMSチャネルを持つマイクロ流路環境下で試験する。結果、電極付近での局所カルシウム濃度が10-9まで良感度を示した。その測定信号は理論によりコヒーレント性を示し、カルシウム濃度で10-1ごとに30mVを示した。チップ上のベータ細胞の培養を可能とするマイクロ流路環境下で、イオン感受性の電極をパッケージする。ポリマーの生体適合性についても検証を続ける予定である。
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