2007 Fiscal Year Annual Research Report
異なるイネ系統における亜鉛効率向上に関わる生理学的及び遺伝子学的要因の解析
Project/Area Number |
07F07743
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Research Institution | Japan International Research Center for Agricultural Sciences |
Principal Investigator |
マティアス ビスバ Japan International Research Center for Agricultural Sciences, 生産環境領域, 主任研究員
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
MICHAEL Frei 国際農林水産業研究センター, 生産環境領域, 外国人特別研究員
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Keywords | 亜鉛欠乏 / オゾンストレス / ムギネ酸 / 亜鉛吸収 / 抗酸化物質 / QTL / アスコルビン酸代謝 |
Research Abstract |
研究のテーマは亜鉛欠乏およびオゾンストレス耐性植物の遺伝的・生理学的解析である。 1亜鉛欠乏研究を行うにあたり、簡易的で再現性の高い実験系を確立した。この実験系は1%アガロース寒天培地である。1%アガロース寒天培地上の根系は水耕栽培のそれと比べて、より土壌中の根系に類似しており、実験上の再現性が高かった。 2亜鉛欠乏条件下における根の分泌物質の解析 亜鉛吸収能を高めた遺伝子組み換えイネと亜鉛吸収能が低いイネを使用して、亜鉛欠乏環境下で根の分泌物質の相違を検証した。その結果亜鉛吸収の高いイネはそうでないイネに比べて、ムネギ酸を多く分泌していた。このムネギ酸は亜鉛吸収を誘導する化合物であると考えられている。 3亜鉛欠乏及びオゾンストレス環境下における低分子抗酸化物質(フェノール様物質・アスコルビン酸)の役割についての検討 酸化ストレス環境下、特にオゾンストレス環境下において、葉内のフェノール様物質が増加していた。オゾンストレス耐性品種はそうでない品種に比べてより多くのフェノール様物質が増加していた。また葉内のアスコルビン酸量は、オゾンストレス耐性と正の相関があることが判明した。 4オゾンストレス耐性に係わるQTL解析 オゾンストレスによる葉の枯死に係わる2のQTLを発見した。これらのQTLは葉内のアスコルビン酸代謝に係わっていることが分かった。以上の成果は論文にまとめられ、New Phytologistに投稿された。
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Research Products
(3 results)