2007 Fiscal Year Annual Research Report
異化のポリティクスとマイノリティの相互関係:戦前・戦中における被差別部落民と在日朝鮮人
Project/Area Number |
07F07748
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Research Institution | International Christian University |
Principal Investigator |
ROBINSON KennehtR International Christian University, 教養学部, 上級准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAYLISS J.P. 国際基督教大学, アジア文化研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 在日朝鮮人 / 被差別部落 / マイノリティー / アイデンティティー / 差別 / 相互関係 / 水平社 / 在日本朝鮮労働総同盟 |
Research Abstract |
大正中期から昭和20年の敗戦にかけて、被差別部落民にしても在日朝鮮人にしても、日本の一般社会から蔑視され、排斥されながらも、様々な組織の活動を通して類似している反差別運動を行った。このプロジェクトは、そういう運動の中で、各マイノリティの組織は相手のマイノリティをどこまで、そしてどのように認識していたかを検討する。方法として、在日朝鮮人労働者の利益を主張する在日本朝鮮労働総同盟や非差別部落民の権利獲得に努める水平社によって出版された機関紙やその他の発行物、活動を見て、その他のマイノリティに対する認識や態度を探り出して分析すること。さらに、運動組織に動員されていない多くの非差別部落民と在日朝鮮人の相互認識や態度を把握するために、戦前の新聞記事や警察調査を見て、その中から被差別部落民と在日朝鮮人の日常的な関系様子を描き出す試みを行う。 平成19年度の研究活動として、8月から10月にかけては関東地方の資料館における資料調査を行った上、その分析に取りかかった。この作業と平行して、研究テーマと関係ある英文で作成した論文を米国の研究雑誌『Journal of Japanese Studies』に掲載するため、最終編成の作業を行った(「研究発表」項目に参照)。11月から1月にかけて資料分析を続きながら論文構成の作業に入った。2月中は、関西方面に出張し、神戸市にある兵庫県立図書館と社団法人ひょうご部落解放・人権研究所や大阪市にある社団法人部落解放・人権研究所において昭和初期の被差別部落における朝鮮人移入、定住に関する資料の調査を行った。2月下旬以来現在までは、取材した資料を分析しながら論文の執筆に取りかかっている。平成21年同7月までにほぼ完成すると予想している。
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Research Products
(1 results)