2007 Fiscal Year Annual Research Report
現代日本における情報通信分野の産学連携とイノベーションモデルに関する研究
Project/Area Number |
07F07757
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
田中 秀幸 The University of Tokyo, 大学院・情報学環, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
STEVEN Jarvis 東京大学, 大学院・情報学環, 外国人特別研究員
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Keywords | 日本のICT技術システム / 独立行政法人 / ICT基準開発 / 東アジアICT開発 / イノべーション理論 |
Research Abstract |
今年度は約半年の研究期間であったが、Jarvis氏が博士論文でうちたてた「インキュベーション・ビークル」モデルの更なる発展に向けての準備作業を中心に取り組んだ。 具体的には、大規模なワイヤレス・ブロードバンド・インターネット基準である「WiMax」を伴ったICTシステムレベル基準の刷新に関する検討を加えた。これは前述の博士論文の研究を補完するものであり、その議論を4GとIPv6ベースのユビキタス・インターネソトに関するものへと発展させるものでもある。WiMaxに関して論じることで、ICTシステムにおける世代交代と技術力の国際的なバランスについ研究を深めつつある。また、WiMaxは「破壊的な」技術として、携帯インターネット技術における現在の日本のもつ強みを損なう可能性を持つことに着目して研究を進めている。WiMaxに関するこうした技術的側面は政府においても産業ICT発展プロジェクトにおいても強調されていないことを踏まえ、前述の「インキュベーション・ビークル」アプローチの適合可能性を計るテストケースとして研究を進めている。 ICTインキュベーションの国際的な比較分析とアジア地域の技術的な基準の拡散をテーマとして、台湾で現地調査を行った。この調査では、政府系R&D財団法人や民間産業の指導的なアクターとのインタビューを行った。当該調査等に基づき、日本と台湾におけるWiMaxの発展過程とICT基準への自由なアクセスに基づいたICTシステムを実現しようとする国家的「技術ミッション」の重要性に関する研究を進めている。
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