2007 Fiscal Year Annual Research Report
GPSや加速度計を用いた構造物の応答計測手法の改善
Project/Area Number |
07F07760
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Research Institution | Tokyo Polytechnic University |
Principal Investigator |
田村 幸雄 Tokyo Polytechnic University, 工学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LI Xiaojing 東京工芸大学, 工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | 応答変位 / GPS記録 / 加速度記答 / 準静的成分 / 共振成分 / フィルター / イノズ除去 / 風応答評価 |
Research Abstract |
構造物の風応答をモニタリングするためには,以下の3成分を正しく捉える必要がある。1)平均風速による静的成分,2)比較的低周波数成分の変動による準静的成分,3)構造物の1次固有振動数に近い変動風力による共振成分である。最近の高層建築物の風応答実測には,2つの計測方法が多く用いられている。1つは従来からの加速度計による加速度応答実測であり,もう1つはGPSによる変位実測である。両者はお互いに補完できる関係にある。例えば,加速度計は共振成分付近あるいはそれ以上の周波数成分の応答観測が可能であるが,動的成分のみで準静的成分や静的成分の観測が難しい。一方GPSは準静的成分や静的成分の観測が可能であるが,都市部で観測する場合などはマルティパスの影響で,誤差を多く含むこととなる。したがって,得られた記録に適切な処置を施すことによって,その影響を除去し,構造物の応答の正確な把握とそのモデル化が可能となる。 今回,我々が観測し,解析した高層タワーのGPSと加速度計による応答記録からは,今後の構造物の風応答観測をより精度良く,効率的なものとする上で,非常に有益な知見が得られた。先ず,GPS変位の原記録は概ね定常性を仮定できる長さ5分間の標本に分割され,異なる種類のフィルターによって静的成分,準静的成分,共振成分に分解された。抽出されたデータには,まずウエーブレットによるノイズ除去を施し,再合成された変位の時刻歴波形からガスト影響係数,ピークファクター,構造物の固有振動数,準静的成分と共振成分の標準偏差などを評価した。得られた結果は,風速変動から理論的に推定できる結果とほぼ一致しており,GPSと加速度計併用による応答観測の妥当性と,本研究で使用した解析法の有効性が確認された。
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