2007 Fiscal Year Annual Research Report
超音波キャビテーション気泡の動的挙動解析とバイオ系新材料創製への展開
Project/Area Number |
07F07765
|
Research Institution | National Institute of Advanced Industrial Science and Technology |
Principal Investigator |
飯田 康夫 National Institute of Advanced Industrial Science and Technology, 先進製造プロセス研究部門, 研究グループ長
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LEE Judy Yu-Ting 独立行政法人産業技術総合研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 超音波 / キャビテーション / 気泡 / マイクロバブル / 界面活性剤 / ソノルミネッセンス |
Research Abstract |
ソノケミストリーにおいてはキャビテーション気泡の集団的挙動の理解が重要である。本年度は、微弱光測定装置などを用いることによって、反応槽内における活性気泡の空間分布を解析した。すなわち、活性気泡から発生する微弱光(ソノルミネッセンス、SL)の強度や空間分布が超音波照射方法や界面活性剤添加、溶存ガス量によりどのように変化するかを確認した。超音波の周波数としては50kHz、200kHz、450kHz、750kHz、2MHzにおいて実験を行い、200から450kHzにおいてもっとも明るいSLが観測された。溶存ガス種としてはアルゴン、酸素、窒素、水素、二酸化炭素について検討し、記載の順序でSL強度が低下した。また、界面活性剤であるドデシル硫酸ナトリウムはSL強度を大きく変化させた。溶存ガス量を飽和濃度の半分にすること、1mM程度のドデシル硫酸ナトリウムの添加、あるいはパルスモードでの超音波照射により反応容器内のSL空間分布が均一化することを見出した。これらは微細気泡の合一が阻害される条件と一致しており、キャビテーション気泡の空間分布が気泡間の相互作用により大きく影響されていることを示している。ハイドロホンによる音圧測定からは、気泡の合一により生じた大きな脱気気泡により音波が減衰散乱していることが示唆され、気泡の合一・分裂が気泡空間構造の形成に影響すると同時に、音場分布自体も変化させており、気泡分布と音場が互いに影響することによって空間構造が形成されていることが理解された。一方、応用的研究においては、アルブミンやリゾチームなどのタンパク質水溶液を加熱しながら超音波照射することにより数ミクロンの大きさのマイクロバブルを作製することが可能であることを確認した。さらに、本合成手法において界面活性剤や尿素などを添加することによりマイクロバブルの大きさを制御することが可能であることを見出した。
|
Research Products
(1 results)