2007 Fiscal Year Annual Research Report
収差補正STEM法を用いた材料界面の原子構造・電子状態定量解析手法の確立
Project/Area Number |
07F07768
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幾原 雄一 The University of Tokyo, 工学(系)研究科(研究院), 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FINDLAY Scott David 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | HAADF STEM / 粒界構造 / EELS / ナノ界面 / ドーパント偏析 / 金触媒 |
Research Abstract |
本年は、HAADF STEM法を用いた界面構造定量解析技術を構築することを目指して、まず定量評価の基礎的研究に極めて有効なバイクリスタルおよび金クラスター・酸化物ナノ界面のモデル試料の作製を行った。 上記バイクリスタルは、アルミナ単結晶を出発材料として、高温下において拡散接合することにより作製した。この際、粒界部に希土類元素を意図的に塗布し、人工的に希土類偏析した粒界を作製した。この粒界をHAADF STEMにより系統的に観察した結果、粒界においては原子スケールで周期的な希土類元素の偏析が観察され、その強度はサイトごとに異なる場合も存在していた。この変化は各サイトごとの試料厚さ方向への元素の分布と粒界構造に起因すると考えられ、粒界構造モデルを用いた定量的な像シミュレーションによる評価の可能性を引き続き検討していく予定である。 また、金クラスターと酸化物が作るナノ界面は、触媒現象を理解するうえで極めて重要であるため、TiO2単結晶上に金の超微粒子を真空蒸着させHAADF STEMによる定量界面評価の可能性を検討した。Bloch波を用いた像シミュレーションと実験結果を比較することにより、金クラスター・酸化物ナノ界面のPlan-view観察の可能性が示された。結晶表面上の金単-原子でさえも、試料厚さ、デフォーカス、収束角などのパラメータを的確に抽出することにより観察できることが理論的に示された。TiO2上の金単一原子の観察を実験的にも確認し、結晶表面上のナノ構造物の観察にHAADFSTEMが極めて有効であることが示された。
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Research Products
(5 results)