2009 Fiscal Year Annual Research Report
収差補正STEMを用いた材料界面の原子構造・電子状態定量解析手法の確立
Project/Area Number |
07F07768
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
幾原 雄一 The University of Tokyo, 大学院・工学系研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
FINDLAY Scott David 東京大学, 大学院・工学系研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | HAADF STEM / ナノ界面 / ABF STEM / 3D観察 |
Research Abstract |
本年度は、STEM像シミュレーション法をセラミック材料解析に適応し、界面における原子構造、特にドーパント構造の3D解析を試みた。以下にその結果を列挙する。 (1)材料内部界面の3次元ドーパント偏析構造解析 イットリウムを添加したアルミナモデル界面にたいして、界面と垂直な方向からのPlan-view観察を行った場合のSTEM像理論計算を行った。その結果、低対称結晶軸からの入射によっては電子線の広がりを抑え、界面原子構造に関する3次元情報を得られる可能性が示唆された。またこの可能性を実験的に検証することにも成功した。 (2)酸素構造直接観察のための新規イメージング法の開拓 酸化物界面における酸素構造を直接同定するため、新規STEMイメージング条件の開拓を行った。その結果、環状明視野領域に散乱された電子のみを用いることにより、酸素構造に敏感な像を得ることが理論的に明らかとなり、実験的にも証明することに成功した。 (3)STEMによる定量評価指針の構築 本研究で得られた結果を総合すると、STEM法は材料界面の原子レベルの構造を決定する上で、極めて有力な手法である。本研究で発展させた理論計算法と実験との高度な融合により、これまで難しかった界面構造の3次元解析、軽元素構造解析、ナノ界面定量観察が可能になることが示された。このように理論アプローチを積極的に利用することにより、STEM界面解析が格段に高度化することが示された。
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Research Products
(16 results)