2009 Fiscal Year Annual Research Report
海洋における植物プランクトンの微細構造とその動態に関する研究
Project/Area Number |
07F07770
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Research Institution | Tokyo University of Marine Science and Technology |
Principal Investigator |
山崎 秀勝 Tokyo University of Marine Science and Technology, 海洋科学部, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
DOUBELL Mark John 東京海洋大学, 海洋科学部, 外国人特別研究員
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Keywords | 乱流 / 微細構造 / クロロフィル / 混合 / 植物プランクトン |
Research Abstract |
微細構造観測装置(TurboMAP-L)を用いて植物プランクトンの微細な分布状態が乱流場とどのような関係にあるのか調べることが究極の目的である。このため、TurboMAP-Lには数cmスケールの解像度をもったLED式蛍光光度計、mmスケールの解像度をもったレーザー式蛍光光度計さらに59□m^2の解像度があるミニカメラシステムが搭載されている。このような測器を乱流が計測できる装置に搭載し、物理場と植物プランクトンの分布状態を同時に測定するのは世界で初めての試みである。この装置を用いて相模湾・東京湾および琵琶湖で観測を行い蓄積したデータを解析した結果、乱流・混合が盛んな場においては、植物プランクトンは一様に分布していると考えられてきたが、本研究による観測によれば数cmのスケールですら一様でないことが明らかとなってきた。基礎生産の動態は、このミクロな世界の物理環境と生態系の相互作用によって成り立っている。植物プランクトンの分布は数ミリメートル程度の微小なパッチにより形成されており、その微小なパッチの数(N)と大きさ(L)の間にN∝L^<-α>の関係が存在することが分かってきた、ここでαは乱流の強さに関係する係数である。本成果及び計測システムに関する技術的な論文はJournal of Plankton Researchに投稿し公表された。本論文(Doubell et al.,2009)は当該号のFeatures Articleとして取り扱われ、そのpdfファイルは世界中の読者に無料で公開されている。
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Research Products
(4 results)