2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07775
|
Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
取出 伸夫 Mie University, 大学院・生物資源学研究科, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ANTONOV D.I. (. D.I.) 三重大学, 大学院・生物資源学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 水分移動 / 溶質移動 / シミュレーション / pH緩衝能 / 変異荷電 / 土壌汚染 / 石灰系固化剤 |
Research Abstract |
本研究は,地球化学反応データベースPHREEQCと土中の水分・溶質移動予測プログラムHYDRUSを組み合わせたHP1プログラムをさらに発展改良し,我が国固有の土壌,気象等の環境に対しての適用を試みることを目的としている。平成21年度は,アルカリ溶液の土中の移動予測について,平成20年度の研究をさらに発展させた。土のpH緩衝能を表現するために,pHの変化に伴う水素イオンH+の土の水酸基への吸着,また水酸基からのH+の解離を表す変位荷電モデルを提案し,モデルのパラメータを土の懸濁液の酸溶液とアルカリ溶液の滴定曲線のpH変化より決定した。それにより,比較的簡単な実験により,土の陽イオン交換容量(CEC)と陰イオン交換容量(AEC)のpH依存性が可能となった。滴定曲線より決定した土のパラメータを用いた変異荷電モデルをPHREEQCで表現することにより,緩衝能の高い火山灰土への石灰溶液の浸透過程についてHP1プログラムを用いて数値シュミレーションを行った。それにより,石灰溶液の浸透に伴う,土中水のpHの増加,CECの増加,AECの減少,Caイオンのイオン交換過程などについて現実の土を対象に詳細を明らかにした。さらに,石灰系固化剤により脱水処理した建設残土の埋設現場における火山灰土の敷土の効果について残土の処理現場を想定したシミュレーションを行い検討した。本研究で用いた手法は,土のpH緩衝作用が生じる様々な土中の物質移動現象への適用が可能である。今後,さらに放射性廃棄物を含む汚染物質の移動について検討を行う予定である。
|
Research Products
(3 results)