2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07798
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Research Institution | Tokyo Institute of Technology |
Principal Investigator |
佐藤 満 Tokyo Institute of Technology, 大学院・理工学研究科, 准教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
WANG Jianquan 東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ゲル / Hofmeister Series / 耐塩性 / フェノール樹脂 / 塩析 / 水素結合性水和 / 酸件プロトン / π電子系 |
Research Abstract |
研究計画に従い、酸性プロトンとπ電子系を含む高分子ゲルを調製し膨潤度の塩濃度依存性を測定したところ、以下の結果を得た。1.レゾルシノールおよびフロログルシノールをホルムアルデヒドで架橋して得られた含水ゲルは耐塩性を示した。2.ポリビニルアルコール(PVA)ヘガリック酸を導入して得られたゲルは耐塩性を示さなかった。3.PVAヘヒドロキシフタル酸を導入して得られた高分子のゲルは導入率がますにつれてチオシアン酸塩に対し塩溶から塩析挙動へと耐塩性挙動に顕著な変化が観察された。4.前年度作成したPVA-T(トリメリット酸導入)ゲルに付き、膨潤度の温度依存性を調べたところ、10-40℃の温度上昇に伴い約10倍の膨潤度増加が観察された。これまでポリ(N-イソプロピルアクリルアミド)ゲルの様に、温度上昇に伴い脱膨潤するゲルは多く知られているが、同様の温度領域でこれほど大きく膨潤する含水ゲル系はこれまでほとんど知られていない。5.PVA-Tゲル膜を作成し、ATR法により主鎖のメチレン基の伸縮振動ピークの予備観察実験を行ったところ、超耐塩性を示すポリ(4-ビニルフェノール)系と同様に、強い水和のアニオン(硫酸イオンなど)の系で高波数シフト、弱い水和のアニオン(チオシアン酸など)の系で低波数シフトの傾向が見られた。これは通常とは逆に強いイオン性水和のアニオン共存下で疎水性水和が安定化されることを示唆しており、大変興味深い。今後、NMRによるゲル中水のT2測定とともに、新たに調製した高分子ゲル中水の特性評価を行い、膨潤挙動との関係について明らかとする予定である。
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Research Products
(3 results)