2008 Fiscal Year Annual Research Report
連星中性子星の合体に対する一般相対論的シミュレーション
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07F07803
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
柴田 大 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BAIOTTI Luca 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 相対論 / 重力波 / 中性子星 / ブラックホール / 数値相対論 |
Research Abstract |
今年度はまず、Baiottiの作った数値相対論コードと柴田の作ったコードの性能比較を行った。具体的には、全く同じ初期条件を与えて連星中性子星の合体のシミュレーションを行い、結果を比較した。わずかな違いはあるものの、2つのコードでほぼ同じ結果が得られることが分かった。その結果、お互いのコードの信頼性が増した。また、結果の比較中、それぞれのコードの特徴を教えあうことで、両方のコードの改良につなかった。なお相対論的数値流体コードのこのような比較は、世界で初めてなされたことであり、特筆に価する。 次に、連星中性子星の合体に対する磁気流体計算を進めた。これも2つのコードを独立に発展させ、同じ結果が得られることを示すことでお互いの計算の信憑性を示すという方向で進めている。Baiottiは、ドイツ・アインシュタイン研究所のRezzollaのグループと共同でコードの開発を進め、今年度コードを完成させた。そして、連星中性子星の合体に対するシミュレーションを行い、初期の結果を論文にまとめ発表した。現在論文は投稿中である。一方、柴田も独自にコードを発展させ、すでに完成済みである。今後、Baiottiらと同じ初期条件を用いてシミュレーションを実行し、結果の比較を行う予定である。 これまでのところ磁気流体計算は、テスト用に、ごく少数の限られたモデルでのみ実行されているが、今後モデルを増やして系統的にシミュレーションを実行し、合体における磁場の影響をとりあえず定性的に解明することを目指す予定である。
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