2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07804
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Research Institution | Hokkaido University |
Principal Investigator |
小野 薫 Hokkaido University, 大学院・理学研究院, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
OTTO van Koert 北海道大学, 大学院・理学研究員, 外国人特別研究員
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Keywords | 接触構造 / 接触ホモロジー / 正則曲線 |
Research Abstract |
Felix Schlenk, Yuri Chekanov両氏と与えられた接触多様体がいくつのDarboux球体で覆うことができるかの最小数について共同研究を進めてきたが、京都滞在中であったChekanov氏を訪れ、3次元の場合の議論の細部を詰めると同時に、高次元の場合の議論も進めた。ここで、(2n-1)次元Darboux球体とは(2n-1)次元Euclid空間上で標準的な接触構造を与えた接触多様体のことである。得られた結果は次の通りである。 3次元の場合には、tightな接触3球面の場合は2、過旋な接触3球面と円周と2次元球面の直積を下部構造とする接触多様体の場合には3、その他の3次元接触多様体の場合は4となることが示された。一般に(2n-1)次元の接触多様体の場合には高々2n個のDarboux球体で覆えることも判った。 また、Frederic Bourgeois氏といくつかの研究プロジェクトを進めているが、次のことを証明できた。接触構造を持つ3次元以上の多様体上には、もとの接触構造は異なるかもしれないが、代数的過旋である接触構造を許容する。ここで代数的過旋性とは、接触ホモロジー代数が自明になることを指し、分担者たちはあるReeb orbitで唯一つの有限エネルギー正則平面を囲み、それ以外の有限エネルギー正則曲線を囲まないものの存在を示すことで、代数的過旋であることを確かめた。3次元の場合には過旋性はtight性と相反するものとして理解されるが、高次元への拡張はまだはっきりしていない。代数的過旋性はそうした中で適切な高次元化と考えられる。 また、接触多様体の連結和に関する接触ホモロジーの完全系列について、何箇所かで講演し、日本の研究者と研究交流の切っ掛けになることを期待している。
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