2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07805
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Research Institution | The University of Tokyo |
Principal Investigator |
池上 高志 The University of Tokyo, 大学院・総合文化研究科, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
SILVERMAN Eric Stephen 東京大学, 大学院・総合文化研究科, 外国人特別研究員
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Keywords | ロバストネス / ロボット実験 / 人工生命 / オープンな環境 / Hebbian学習 / アウトリーチング |
Research Abstract |
本年度は2つのことで非常に進展があった。 1)人工と自然のシステムにおけるロバストネス(頑強性)について論をすすめ、国際会議で発表することができた。特に生物システムのロバストネスは、数学的な安定性とは異なり、メカニズムを持って獲得しているものである。たとえば、ホメオスタシスを使った安定性は、微小なノイズに対する応答とは異なるものである。また以下の2)とも関係するが、オープンな環境で自己の境界をつくることで、個体を支える仕組みについても議論した。このロバストネスについて、自律運動する油滴の実験や、ロボットの実験の例を用いて議論し、論文にまとめた。 2)オープンな環境での行動の組織化。これまでのロボット研究は閉じた簡単な空間での、迷路をとく問題であった。ここでは一般の部屋の中をロボットを動き回らせて、それを学習することで運動のパターンをつくりあげる。このロボットは、多重センサーのネットワークにHebbian学習を導入し、Legoロボットにプログラムして行なっている。この実験を現在進めているところである。 これら以外にも、サイエンスとアートの関係あるいは化学者のアウトリーチング活動としての科学的知識の広報について学会報告をした(また今年度の夏にも国際会議で報告予定である)。また生態系システムの研究を例に、モデルアプローチの優位性と限界について議論し論文にしている。
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