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2009 Fiscal Year Annual Research Report

強相関電子系の多極子秩序

Research Project

Project/Area Number 07F07809
Research InstitutionTohoku University

Principal Investigator

倉本 義夫  Tohoku University, 大学院・理学研究科, 教授

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) KISS Annamaria  東北大学, 大学院・理学研究科, 外国人特別研究員
Keywords強相関電子系 / 多極子 / 磁性 / スクッテルダイト / CeB6 / SmRu4P12 / PrRu4P12
Research Abstract

八極子以上の高次多極子が現実の系で秩序化することは,最近の様々な実験とその理論的解釈から疑いのないものになっている。しかし,その結果現れる物性については未知の点が多い。我々は多極子物理の現状と展望について,J.Phys.Soc.Jpn.からレビューを依頼され,招待論文として出版した。本論文は7月に刊行後,半年以上にわたってJPSJのダウンロードランキングの2位(1位は鉄超伝導のレビュー論文)という好評を得,現在でも依然として高い順位にある。オリジナルな主要研究成果としては,スクッテルダイトSmRu4P12の奇妙な相図を理論的に説明したことが挙げられる。SmRu4P12の磁気相図は,時間反転対称性を破る秩序状態に由来する特徴ある構造があり,その実態解明が待たれていた。我々は,4重縮退した結晶場基底状態だけでなく,近接している2重縮退した励起状態が本質的に重要であることを見出した。この擬6重項を用いて主な秩序変数である八極子の成長にともなって,電荷分布の変形をともなう四極子と,さらに高次の十六極子が誘起されことを示した。後者は結晶場の基底状態と励起状態を結ぶ行列要素を持つ。様々な多極子が絡み合った結果生ずる平衡状態は,外部磁場によって興味ある影響を受ける。本研究では,分子場理論で6個の結晶場状態から構成される可能な多極子をすべて取り入れ,この結果に基づいて,SmRu4P12の磁場中の相図を半定量的に再現した。また,観測されている磁気モーメントを立方対称性からのはずれによって八極子から派生すると解釈し,その大きさを見積もった。この結果,全角運動量J=5/2のフント則基底状態だけではなく,励起状態であるJ=7/2の多重項が定量的には無視できない役割を果たしていることを指摘した。

  • Research Products

    (3 results)

All 2009 Other

All Journal Article (2 results) (of which Peer Reviewed: 2 results) Remarks (1 results)

  • [Journal Article] Ordering and Crossover in a pseudo-Sextet Localized Electron Model-Possible Scenario for SmRu4P12 Skutterudite-2009

    • Author(s)
      A.Kiss, Y.Kuramoto
    • Journal Title

      J.Phys.Soc.Jpn. 78

      Pages: 124702-1-124702-9

    • Peer Reviewed
  • [Journal Article] Multipole Orders and Fluctuations in Strongly Correlated Electron Systems2009

    • Author(s)
      Y.Kuramoto, H.Kusunose, A.Kiss
    • Journal Title

      J.Phys.Soc.Jpn. 78

      Pages: 072001-1-072001-33

    • Peer Reviewed
  • [Remarks]

    • URL

      http://db.tohoku.ac.jp/whois/detail/4fc57a4d61f3e96ad819e115f4b120b7.html

URL: 

Published: 2011-06-16   Modified: 2016-04-21  

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