2008 Fiscal Year Annual Research Report
金属-有機薄膜界面における電子特性とキャリア移動特性の研究
Project/Area Number |
07F07816
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Research Institution | Japan Advanced Institute of Science and Technology |
Principal Investigator |
FRIEDLEIN Rainer Japan Advanced Institute of Science and Technology, マテリアルサイエンス研究科, 講師
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
BUSSOLOTTI Fabio 北陸先端科学技術大学院大学, マテリアルサイエンス研究科, 外国人特別科研究員
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Keywords | 有機 / 無機界面 / 有機半導体 / 角度分解紫外光電子分光 / 表面電子構造 / 界面準位 / 電荷輸送 |
Research Abstract |
昨年度に引き続き、有機エレクトロニクスの分野で重要な有機半導体薄膜と金属基板の界面における陽電荷キャリアと周辺環境との相互作用を理解し、界面を通したミクロなキャリア輸送との関係を明らかにするために高分解能紫外光電子分光を行った。 1)高配向性グラファイト上に成長したアントラセン多層膜、単分子膜の電子特性140Kの低温に保たれたグラファイト基板上にアントラセン多層膜を成長し、その電子構造の基板温度依存性を調べた。その結果、基板温度に依存して分子の配向、分子結晶構造が変化し、それに伴う電子特性の変化が観測された。 2)Cu(110)上に成長したアントラセン多層膜のバンド構造 Cu(110)上に成長したアントラセン多層膜のバンド分散の均一性が反射高速電子線回折によるアントラセン多層膜の結晶構造の解析から、その正方に近い格子に由来することが明らかとなった。 3)有機/金属界面における電子構造アントラセン/Cu(110)界面 Cu(110)上に室温で形成されたアントラセン単分子層について、有機分子と金属間の強い相互作用に起因する界面準位が測定された。この界面準位の内フェルミ準位近傍のものは、金属から有機分子の欠乏準位への電荷移送に起因すると考えられる。 4)極薄カルシウム/グラファイト層間化合物の電子構造 天然グラファイトへのカルシウムの挿入が、その電子構造にどのような変化をもたらすかを、放射光を光源とした高分解能光電子分光により調べた。カルシウムの堆積とその後の熱処理による挿入が電子構造を大きく変化させる様子が測定され、CaC_6における比較的高い温度での超伝導の発現を説明する一助になると思われる。
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Research Products
(4 results)