2008 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07817
|
Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 節 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROMANO Antonio Enea 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
|
Keywords | 暗黒エネルギー / インフレーション宇宙 / 非一様宇宙モデル |
Research Abstract |
平成20年度は主に2つの課題に取り組んだ。一つは、インフレーション宇宙において、インフレーションを起こす場(インフラトン場)と他の場との相互作用によって急激な粒子生成が起こった場合の曲率揺らぎのスペクトルの導出であり、もう一つは、宇宙論的パラメーター、特に暗黒エネルギーの量を観測的に推定する際の、宇宙の物質分布の非一様性の影響の定量評価である。 最初の問題に関しては、粒子生成の曲率揺らぎへの影響が、インフラトン場のポテンシャルに急激な変化が存在する場合の影響と非常によく似ていることを明らかにした。すなわち、インフラトン場のスローロールする(ゆっくり転がる)条件がポテンシャルに存在するコブ(あるいは穴)によって瞬間的に破れる場合とほぼ同様の影響があることが分かった。後者の場合には、モデルに特徴的な非ガウス性が曲率揺らぎに現れることが知られており、この結果に基づいて、現在粒子生成モデルにおける曲率揺らぎの非ガウス性の評価を行っており、また、それに基づくこのモデルの観測的検証可能性を追求している。2番目の問題に関しては、現在、宇宙定数を含むルメートル・トールマン・ボンディ解を使って、非線形な非一様性の宇宙論的パラメーター、特に宇宙の加速膨脹を担う状態方程式のパラメーターの観測的評価への影響を解析中である。なお、この課題に取り組んでいる最中に、宇宙定数を含むルメートル・トールマン・ボンディ解の解析解の新しい導出方法を発見した。
|
Research Products
(2 results)