2009 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07817
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Research Institution | Kyoto University |
Principal Investigator |
佐々木 節 Kyoto University, 基礎物理学研究所, 教授
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
ROMANO Antonio 京都大学, 基礎物理学研究所, 外国人特別研究員
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Keywords | 暗黒エネルギー / 非一様宇宙モデル / 加速膨張宇宙 |
Research Abstract |
近年,宇宙の暗黒エネルギー問題に関連して,宇宙が加速膨張しているという観測事実を,宇宙は大局的にみて空間的一様等方である,という宇宙原理に反して我々が非常に宇宙の中心にいるとして,宇宙の非一様性によって説明するモデルが注目を集めている。そこで今年度は,この問題に関して,より詳しい解析を以下の4つの側面から試みている。 1.球対称非一様宇宙モデルはルメートル・トールマン・ボンディ(LTB)解と呼ばれるが,この解は真空のエネルギーを含まない解である。そこで,LTB解の一般化として,真空のエネルギーをもつΛLTB解を解析的に構成した。 2.加速膨張の目安は,観測的にはいわゆる減速パラメターで表わされる。そこで,これを一般的LTB解に関して,赤方偏移のべき級数に展開して,見かけ上加速膨張が観測される条件を解析的に明らかにした。 3.上の問題に関して,LTB解上の光の動径方向の測地線方程式を解く必要がある。しかし,これまではこの方程式の具体形は数値的にしか与えられていなかった。そこで,座標を適当に取り直すことによって,この測地線方程式の解析的表現を導いた。 4.1で構成したALTB解を基に,その低赤方偏移での距離-赤方偏移関係や減速パラメターの表式を解析的にべき級数で求め,その結果と観測データとを比較して,暗黒エネルギーの量を変化させたときに我々の銀河の近傍にどの程度に大きな非一様性があり得るのか,を定量的に調べている。
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Research Products
(2 results)