2007 Fiscal Year Annual Research Report
Project/Area Number |
07F07824
|
Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
朝日 剛 Osaka University, 大学院・工学研究科, 准教授
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
LAURANT Guilaume 大阪大学, 大学院・工学研究科, 外国人特別研究員
|
Keywords | 局在プラズモン共鳴 / 金ナノ粒子 / 蛍光 / 単一粒子分光 / 顕微分光 |
Research Abstract |
金属ナノ粒子特有の光学特性を利用した高感度分光センサーとして、金属ナノ粒子と有機分子からなるハイブリッドコア-シェル構造に着目した。本研究ではこうしたコア-シェル構造の作製とその光学特性を単一粒子レベルで明らかにすることを目的として研究を進めた。まず、顕微光散乱スペクトル測定による単一粒子の有効性を確認するため、東北大学の及川研究グループで作製された、銀および白金被覆ポリジアセチレンナノ結晶の単一ナノ粒子分光を行った。その結果、金属の被覆率の不均一性に起因する光学特性の粒ごとの大きなばらつきがあること、また、集団測定では困難なナノ結晶の偏光特性を明らかにできることなど、単一粒子測定の有効性が示された。つぎに、蛍光分子被覆金ナノ粒子の作製と単一粒子分光を行った。単一分光測定用の試料を作製するため、表面をアミノシランで修飾したガラス基板表面に静電吸着法により市販の金ナノ粒子コロイド(平均粒径40,100nm)を固定化し、そのナノ粒子表面を末端にカルボン酸を有するアルカンチオールの自己組織化単分子膜で修飾した。この金ナノ粒子試料を色素溶液に浸すことによって、溶液からの分子吸着による蛍光色素分子被覆金ナノ粒子の作製を検討した。色素分子には代表的な蛍光色素であるローダミンBを用いた。色素被膜形成を光学顕微分光装置による単一ナノ粒子の光散乱スペクトル測定によって評価し、本手法によりナノ粒子表面を蛍光分子で被覆したコア-シェル構造の作製が可能であることが分かった。このナノ粒子は、金属ナノ粒子-有機分子ハイブリッド構造の基本物性を調べるためのモデル系として有望であり、発光特性も含めた分光特性の詳細な検討を次年度計画している。
|